お口の健康と栄養の関係 ~2021年9月~

こんにちは。すこやか歯科クリニックの山田です。
元気に自立した生活を送るためには、しっかりとした食事が大切です。
栄養バランスのとれた食事を心がけることで、体力・免疫力が整い、
健康的な生活を送ることができます。
ところが、お口の不調や食欲の低下などによって、
食事をしっかりと摂れない状態になると栄養が不足してしまいます。
「高齢で大して動かないから」と食事をおろそかにしてしまうと
「低栄養」になってしまいます。

なぜ低栄養になるの?

むし歯や入れ歯の不調など、お口の調子が悪くて十分な食事が摂れなくなると低栄養になってしまうリスクが高まります。また、低栄養の原因はそれだけではありません。

  • 咀嚼力や嚥下力の低下
  • 消化機能の低下
  • 活動量の低下
  • 粗食志向

こうしたことが原因で60歳以上の5人に1人が低栄養になっているという調査結果もあります。

食事の工夫で低栄養を予防する

低栄養を予防するには、むし歯や入れ歯の不調などのお口の問題を解決し、咬合や咀嚼などの口腔機能を維持・向上させることが大切です。そこに、適度な運動や栄養バランスのとれた食事を加えていくことで低栄養を予防することができます。
しかし、摂食嚥下機能に問題を抱えている場合は、食事形態を工夫する必要があります。
噛まなくても良いミキサー食や、安全にのみこめるとろみ食などが以前からよく知られていましたが、最近は嚥下食として体系化されつつあります。

その代表例が日本摂食嚥下リハビリテーション学会の提唱する「嚥下調整食分類2013」というものです。それぞれの口腔機能に合わせてさまざまな形態の嚥下調整食が分類されています。
このような形で栄養を補給しながら、口腔ケアや口腔リハビリを続けることで、低栄養を回避できるだけでなく、口腔機能が回復して通常食が食べられるようになる可能性もあります。
食べる楽しみを取り戻せる、維持できるということは高齢の方のQOLを大きく向上させることにつながります。

『日摂食嚥下リハ会誌17(3):255?267, 2013』 または 日本摂食嚥下リハ学会HPホームページ: https://www.jsdr.or.jp/doc/doc_manual1.html 『嚥下調整食学会分類2013』 を必ずご参照ください。

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